ウルフボクシングジム自主興行「fight of the wolf 2」バンコク
世界王者奪取のチャンスを狙うタイの狼たち
サワディーカップ タイ支部のオダサイです。 9月26日に、ウルフボクシングジムの自主興行「fight of the wolf 2」は地域の少年ムエタイ大会、他のオーガナイザーのボクシング興行との相乗りで行われました。 会場となったシンマナサック・スタジアムは、辰吉選手、長嶋建吾さんと世界タイトルを争った、シリモンコン・シンマナサックさん(ナコントンパークビュー)のお父さん、マーノップさんのムエタイ・ボクシングジムです。 バンコク中心街から北東に50キロ進むと、田園風景が広がるタンヤブリーに到着します。シンマナサック・スタジアムは半オープンエアーのジムで、立ち見では100人は入るのではないでしょうか。 午前中から、まず地元パトゥムタニ県タンヤブリーの少年ムエタイ選手の試合が10組ほどありました。 出場最年少の5歳の選手同士が、バチバチに蹴り合って、殴り合っていますが、引率のお父さんらは、思わずマスクをずらして、熱くなって声援を送ります。 コロナ感染のリスクを考えるとちょっと怖いところもありますが、半オープンエアーのスタジアム(ジム)ということで、安全なのかもしれません。 ムエタイの試合の後、プロボクシングの試合は、ウルフボクシングジムのコーディネートした3試合を含め6試合が行われました。 *** ウルフボクシングジム主催の3試合についてですが、出場予定だった同ジム所属のチャイヤプルック選手がコロナ陽性で欠場になりました。 チャイヤプルック選手のスパーリングパートナーを努めていた、別のジムのウォンウィニット選手が代理でスーパーライト級6回戦に出場し、2回、ボディーブローでKOを飾りました。 続いて登場したのはミニマム級のシティサック選手、キャリア豊富な対戦相手・ファーサイ選手を初回で仕留めました。 シティサック選手はこれで6戦6KO勝ちです。ジム関係者皆から、その成長ぶりを称えられていました。 そして、世界ランカー・タノンサック選手が登場しました。会場の緊張感は今日最高です。対戦相手はノンタチャイ選手で、この選手もキャリアがあり、侮れない相手です。 そんなノンタチャイ選手を相手に、タノンサック選手は初回からスピードで翻弄し、左アッパーを叩き込みます。強烈なボディブローが炸裂し、早い回でのKOの予感がします。 結局、タノンサック選手が終始ノンタチャイ選手を圧倒し、世界ランカーの力を見せて3回にしつこく左右ボディ連打を叩き込んで、ダウンを奪いました。 レフェリーはノーカウントで試合を止め、タノンサック選手は無敗の18勝目を飾りました。 ちなみに今回の興行でレフェリーを担当したのは、前述のシリモンコン・シンマナサックさんでした。 シリモンコンさんは100戦を超えるキャリア、世界タイトル2度獲得と、タイのボクシングの歴史に名を刻んだ名選手ですが、 引退して大きくなった体で、昨年産まれたお子さんをリング上で抱く姿は、幸せそうな第二の人生を歩んでいるように見受けられました。 *** タノンサック選手の今後については、ウルフボクシングジム主催のプームさんは、ライトフライ級の日本人世界王者を含めて、世界王者奪取のチャンスを狙いたいとしています。 スリヤントレーナーはタノンサック選手、シティサック選手は、今回ノーダメージで試合を終えた為、休息を取らず、すぐに練習に戻らせたいと言います。 今後のチームウルフに注目です。 試合動画は、Youtube Round 1 channel ( by Chang PR & GODZILLA) より。 https://www.youtube.com/watch?v=mfg-GHnfRgk *** 小田充則(オダミツノリ) 1976年生まれ、44歳。会社員。タイ・バンコク在住。 30年来のボクシングファン。タイでもボクシング興行をよく観に行っている。 日本人ボクサーのタイでの世界戦は必ず応援に駆け付ける。 40歳前にはじめたムエタイ、キックボクシングでアマチュアの試合に出場し、1勝(0KO )1敗(1KO)。ボクシングへの転向を狙っているがコロナ過でジム通いができず、先延ばしに。好きなボクサー・辰吉丈一郎、福原辰弥、ジャッカル丸山。