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不屈のターミネーター~元世界王者ポンサワン|rsc products公式ウェブサイト

不屈のターミネーター~元世界王者ポンサワン

バンコク発オダサイ便

サワディーカップ タイ支部のオダサイです。 今回は、日本のボクシングファンにも”ターミネーター”のニックネームで知られる、ポンサワン・ポープラムックさんの登場です。 ポンサワンさんは現在、バンコク近郊のノンタブリー県、バンヤイ地区のセンジャンターウォン市場で持ち帰り専門のタイカレー(ゲーン)屋さん”世界チャンピオンのゲーンのお店、ポンサワン” を営んでいます。 ポンサワンさんは現役時代、4度世界の壁に跳ね返された後、ようやくWBA世界ミニマム級王座に辿り着きました。 後楽園ホールで行われた初防衛戦は、当時世界4位の八重樫東さんがその相手でした。 試合はポンサワンさんの10回TKO負けでしたが、この試合は2011年のアメリカテレビ局ESPNや、ボクシングサイトBoxing Sceneで年間最高試合に選ばれています。 名勝負となったこの試合で、前半は八重樫さんの左でポンサワンさんはポイントを失いますが、相打ち覚悟のカウンターで中盤から反撃し、相当な被弾もありながらもタフに打ち返していきました。 八重樫さんも追い込まれるシーンがありますが、ラストは10回、八重樫選手から右の3連打を決められ、レフェリーは立ったままのポンサワンさんをストップしました。 最後まで八重樫さんに食らいつき、打たれても前進を続けるタフさは、”ターミネーター” らしい姿を見せたと言えるでしょう。 市場でタイカレーを売る現在の姿は、”ターミネーター”にも”タイの激闘王”にも見えない、気のいいお兄さんです。 仕込み調理、販売と、ひとりでお店を切り盛りするポンサワンさんですが、2キロほど離れた別の市場にも、もうひとつ店舗があるそうです。そちらは奥さまが毎日店頭に立っているそうです。 ‐‐‐‐ ポンサワンさんは、タイ中部のサケオ県の出身で6歳からムエタイを始め、こちらは300戦のキャリアを誇ります。戦績は280勝20敗とも言われます。 ルンピニースタジアムのミニフライ級、ライトフライ級の二階級を制しましたが、ムエタイと兼業で、プロボクシングのキャリアもスタートさせました。 所属のポープラムックプロモーションは、日本のK‐1 MAXでも活躍したブアカーオもそのメンバーでした。他にも、ボクシングでWBCライトフライ級、WBAフライ級を制したコンパヤック・ポープラムックが所属していました。 ポンサワンさんはプロボクシングデビューから早くも2戦目で地域王座、PABA(現在WBAアジア)のタイトルを手にします。 その後、防衛戦をこなし続け、ボクシングデビューから6年目の2007年に20戦全勝の実績を引っ提げて、敵地フィリピンのセブ島に乗り込み、後の4階級制覇王者のドニー・ニエテスとのWBO王座決定戦に出場します。 この初挑戦は惜しくも判定負けで王座奪取はなりませんでした。再起戦でABCOタイトル(WBCアジアタイトル)を獲得すると、続いて、当時タイ国内にあったWBCタイトルに挑戦します。 当時のチャンピオンは、イーグル京和から王座を奪ったオーレドン・シットマーチャイです。タイダービーとなったこの試合も、判定負けでタイトル獲得はなりませんでした。 そして、再起戦でまたチャンスが舞い込みます。一階級上のWBCライトフライ級王者、メキシコのエドガー・ソーサ陣営から声が掛かったのです。 メキシコに乗り込んだポンサワンさんですが、普段のミニマム級よりも1階級上の条件でも、ムエタイではすでに108ポンドは慣れており、問題はなかったとのこと。試合の序盤から手ごたえを感じていたそうです。 しかしながら、4回にソーサからパンチをまとめられたところで、レフェリーストップとなり、4回TKO負けを喫しました。 ポンサワンさんは「ダウンはしていないし、ソーサのパンチは効いていなかった。納得できないストップだった」と当時のことを語ります。 ‐‐‐‐ フィリピン~タイ~メキシコと3カ国で挑戦した世界タイトルは、3戦続けて跳ね返されました。 20戦全勝から、21勝3敗となり、世界戦線から脱落と思われましたが、もう一度ポンサワンさんにチャンスが舞い込みます。2度目の世界挑戦で判定負けしたオーレドンへの再挑戦です。 2008年の初戦から2年が経過し、オーレドンは減量苦も伝えられていましたが、防衛回数を追加して、より安定度を増しているという評判でした。 この挑戦が最後になるかもと、必死のポンサワンさんは、6ラウンドにチャンピオンからダウンを奪い、ストップ勝ち寸前まで持ち込みます。 映像を見ると、ダウンの後にもつれて倒れこんだオーレドンにレフェリーが駆け寄り、様子を見ます。ポンサワン陣営はレフェリーストップ、試合終了だと思って、歓喜に沸きます。 ただし、これで試合は終わりではありませんでした。何事もなかったかのように、戦いは続行されました。 オーレドンは脱水の為か片足が攣った状態で、ボロボロになりながらも何とか、12回判定まで持ち込みます。判定は挑戦者かと思われましたが、ジャッジは1人がチャンピオンを支持する、1-0のドロー、4度目の挑戦も惜しくも実ることはなりませんでした。 タイでは通常、一人の選手に世界チャンピオンに挑戦するチャンスが何度も巡ってくることはありません。 ポンサワンさんが何度もチャンスが巡ってきたのは、世界タイトルマッチで毎回好勝負を繰り広げたことと、ムエタイでルンピニー2階級制覇の実績があったからでしょう。 陣営も本人も、特にオーレドン2戦目では王座が手からすり抜けていったことで、逆に世界王者になる自信を深めたと言います。 ‐‐‐‐ そして5度目のチャンスは2011年7月、敵地インドネシアでのWBAミニマム級王者、モハメド・ラクマンへの挑戦でした。 この試合が初防衛戦のラクマンに、接戦ながら2-0で判定勝ちを収め、敵地で悲願の世界王者に輝くことができました。 世界王者となって、初防衛戦が八重樫東戦で、世界王座に君臨した期間は3か月間でしたが、タイで5度目の挑戦で世界王座になった不屈の王者として、タイのボクシングファンにも強い印象を残しています。 その後も日本のリングで、2012年大晦日にWBA世界ミニマム級王座決定戦として、宮崎亮戦が組まれますが、これは惜しくも判定で敗れてしまいます。 この後、1勝1敗の星を残して、プロボクシングでは、28勝6敗1分(世界戦は1勝5敗1分)という戦績を残して引退しました。 ‐‐‐‐ プロボクシングのキャリアを通じて最も強かった選手としてポンサワンさんは、八重樫東さんの名前を上げました。 「八重樫はこの私を打ち負かしたから、彼が一番強い」とのことでした。他の敗戦については、打ち負かされたというわけではなく、納得いかない部分もあるのでしょう。 また日本のリングでは、八重樫戦、宮崎戦に加え、ムエタイの試合で1度遠征しており、そちらも負けで、3戦3敗だそうで、鬼門のようです。 このムエタイの試合は、2010年のヨードムエチャンピオンズカップというイベントで、当時ルンピニーミニフライ級王者だったポンサワンさんが、ルンピ二ーライトフライ級王者のクンスック選手と戦った試合です。 ルンピニーの王者同士というのも豪華な組み合わせですが、この時、ポンサワンさんはボクシングではWBA世界2位で、WBCタイトル獲得に失敗した頃です。 2つの格闘技を同時進行で、どちらもトップで活躍するというのは、ジョムトーン・チュワタナの例などもありましたが、現在のタイではなかなか見られないと思います。 ‐‐‐‐ 現在ポンサワンさんが経営するタイカレー(ゲーン)店ですが、現役時代の17年前から始めたそうです。引退と同時にもう一店舗を増やしたそうです。 「大きなお金は残せていないが、自分の商売もうまくいって、奥さんと二人の娘さんいう家族もいて、時々大好きなボクシングの試合を観に行く、充実した人生です」と、ポンサワンさんは今の自身を語ります。 コロナ以降は行えておりませんが、自宅近所の若者や子供を集めて、週1回の無料のムエタイ教室も行っていたようです。 「オミクロンの状況が落ち着けばムエタイ教室も再開したい」と言います。後進への指導や、ボクシング界との関わりについても楽しそうに話されました。 ポンサワンさんのタイカレーはゲーンパッペッという種類で、日本人には馴染みのないタイ料理のひとつです。タイ生姜の千切りや生コショウ、唐辛子が大量に入っています。 日本人は、激辛を好む人でないとなかなか難しいかもしれませんが、ビールやタイ焼酎(ラオカーオ)のつまみに、チビチビ食べるのもなかなかいけました。 種類は、鶏の骨付きのブツ切り、皮付きのイノシシ、鶏レバー、なまず、そしてカエルなどがあります。メインの具によって加える野菜の種類も微妙に代えており、こだわりも感じられます。 センジャンターウォン市場はバンコク中心街からは車で40分~1時間程度の場所です。平日の16時から20時まで、市場で毎日元気にタイカレーを売っている”ターミネーター”の姿をみることができます。 私も、また”ターミネーター”に会いに、こだわりのタイカレーを買いに市場に寄りたいと思います。 *** 小田充則(オダミツノリ) 1976年生まれ、44歳。会社員。タイ・バンコク在住。 30年来のボクシングファン。タイでもボクシング興行をよく観に行っている。 日本人ボクサーのタイでの世界戦は必ず応援に駆け付ける。 40歳前にはじめたムエタイ、キックボクシングでアマチュアの試合に出場し、1勝(0KO )1敗(1KO)。ボクシングへの転向を狙っているがコロナ過でジム通いができず、先延ばしに。好きなボクサー・辰吉丈一郎、福原辰弥、ジャッカル丸山。

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