バンコク発オダサイ便
サワディーカップ タイ支部のオダサイです。 この12月6日に、バンコクのルンピニースタジアムで、WBCチャンピオンズナイトというイベントが開催されました。 (正式には、Night of CHAMPIONS CELEBRATING THAILAND'S WBC WORLD CHAMPIONS) コロナ禍の影響もあり、入場者を関係者のみ120人とされる中、タイの現、元WBC世界チャンピオン(ボクシングのみ、WBCムエタイは除く)が集まりました。 会場では、5人の故人、当日来られなかったサーマート・パヤクアルンさん、コンパヤック・ポープラムックさんなどを除き、19人の新旧チャンピオンが顔を揃えました。 このイベントの主催はWBCですが、タイでこのような催しが開かれたのは初めてのようです。今回、ツテを頼って、会場に潜入しましたので、その様子を紹介したいと思います。 会場のルンピニースタジアムに着くと、まず入場者は全員、ATK検査を受けます。会場前で15分ほど椅子に座って、検査結果を待ちます。 私はイベント開始1時間前に到着しましたが、結果検査待ちの間に、チャンピオンたちが続々会場入りする姿も確認することができました。マスク越しでも、チャンピオン達はオーラがあり、すぐに誰が誰だか分かります。 会場前で見かけたのは、一度取材させて頂いたチャチャイ・サーサクンさん、井岡一翔選手と対戦したオーレードン・シッサマーチャイさん、日本で何度も防衛戦を行ったポンサクレック・ウォンジョンカムさん、日本人選手と激闘を繰り広げたウィラポンナコンルアンプロモーションさんでした。 ‐‐‐‐ イベントでは、当日出席した19人の現、元世界チャンピオンが1人づつステージにあがり、表彰されました。 表彰の前に19人それぞれの3分程度の紹介ビデオが流れますが、懐かしい試合映像もあり、ボクシングマニアとしては感動しっぱなしです。 日本でもおなじみのシリモンコン・シンマナサックさんの紹介ビデオで、そのキャリアのクライマックスとなっていたのは、長嶋建吾さんとのWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチでした。 日本で辰吉丈一郎選手に負けて失った世界王座でしたが、また日本に乗り込んで、衝撃のKOで世界王座に輝いて無念を晴らした、というストーリーでした。その後、マイケル・クラークとのアメリカでの激闘(WBCライト級挑戦者決定戦)を経て、100戦のキャリアを築いたと閉められていました。 ナパ・キャットワンチャイさんの表彰時では、懐かしい井岡弘樹戦、大橋秀行戦のビデオも流れました。 すでに故人となった5人のチャンピオンについてもビデオ紹介がありました。ポーン・キングピッチ氏、センサク・ムアンスリン氏、パヤオ・プーンタラット氏などですが、ポーン・キングピッチ氏の紹介ビデオは、日本のテレビでよく見たファイティング原田さん、海老原さんに負けた映像は流れませんでした。 出席した19人、故人、未参加の4人、それぞれのビデオと表彰でなかなか長時間になりますが、マニアには飽きません。 ‐‐‐‐ 表彰時に世界チャンピオンがそれぞれ、ステージ上で手短に挨拶をします。イーグル京和さん(デーン・デュラパンさん)も表彰され、関係者への御礼を意を述べました。 イーグルさんは日本で活動して世界王者となった為、タイでは異色の選手と言えます。現在、パタヤでムエタイ・ボクシングジム、イーグルジムを開かれており、ジムは地元の練習生で賑わっています。 私は4年前のナイスミドル挑戦時(東京フェイスで定期的に行われているキックボクシング版シニアファイト)に、イーグルジムで何度か練習させて頂いたことがあり、その頃以来の再会となりました。 オダサイのことを覚えて頂いていたようで、大変光栄でした。コロナ禍以降、パタヤも大変ご無沙汰していますので、再度の訪問(取材とムエタイ練習)をお願いしました。 オダサイ便でおなじみのウルフジムのから、スリヤントレーナー(元WBC世界スーパーフライ級チャンピオン、スリヤン・ソールンビサイ)も、タノンサック選手と参加していました。 12月19日に自主興行・fight of the wolf No.4が開催されますが、メインに出場のタノンサック選手も試合に備えて仕上げているそうです。 ‐‐‐‐ 他のチャンピオンについては、ウィラポンさんは、チャイヤプーム県で「チャンピオンの家」というタイ料理屋さんを経営されており、日本人ファンで訪問された人もいると思います。 最近は近隣のマハラサカム県で、ボクシングのコーチの仕事もしており、以前のように毎日「チャンピオンの家」で調理、接客はしていないとのことでした。 ウィラポンさんがコーチの仕事の際は、奥さまと娘さんがお店を切り盛りされているそうです。 チャチャイ・サーサクンさんは、12月14日にプーケットでの防衛戦を控えるWBAミニマム級チャンピオン・ノックアウトCPフレッシュマート選手のトレーナーをしています。 ノックアウト選手とプーケット入りしながら、このイベントの為にバンコクに戻り、すぐにまたプーケットに帰るそうです。イベントに出席したWBCミニマム級現チャンピオンのパンヤ選手のトレーナーも担当しています。 プーケットと言えば、今回出席されたオーレイドン・シッサマーチャイさんもプーケット在住で、そちらでジムを開かれています。いずれ、プーケット取材も行いたいところです。 現役の選手(WBCチャンピオン)では、現チャンピオンのパンヤ選手、パンヤ選手との再戦(2022年1月予定)を控える前チャンピオンのワンヘン選手、クアドラス選手との試合が先延ばしになっているシーサケット選手が出席していました。 他にもサマン・ソーチャトロンさん、ムアンチャイ・キティカセムさんの姿も見られました。 今回出席したチャンピオンの中での最高齢は、1972年に世界王座に就いた元WBC世界フライ級チャンピオン、71歳のベニス・ボーコーソーさんでした。 ベニスさんは、”イベントの目玉”として、集合写真では常に真ん中で写られていました。ジャージ姿でファイティングポーズを披露して、元気な姿を見せていました。 *** 小田充則(オダミツノリ) 1976年生まれ、44歳。会社員。タイ・バンコク在住。 30年来のボクシングファン。タイでもボクシング興行をよく観に行っている。 日本人ボクサーのタイでの世界戦は必ず応援に駆け付ける。 40歳前にはじめたムエタイ、キックボクシングでアマチュアの試合に出場し、1勝(0KO )1敗(1KO)。ボクシングへの転向を狙っているがコロナ過でジム通いができず、先延ばしに。好きなボクサー・辰吉丈一郎、福原辰弥、ジャッカル丸山。