会長として。兄として。
こんにちは!東京店スタッフのジョーです! 「ききて」のジョー第3回のゲストは キックボクシングジム3K会長・近藤大成さんです! 2014年にプロキックボクサーを引退後、弟の近藤拳成選手と近藤魁成選手のトレーナーとして活動。現在は10人のプロ選手を抱えるジムの会長兼トレーナーで、自身の開催するキックボクシング大会の代表も務めています。 ジムの会長兼トレーナー。キックボクシング大会の主催者。 そして、今まで決して表に出すことのなかった「近藤三兄弟」の長男としての想いを語ってくれました。 -大成さんが格闘技を始められたきっかけは、お父さんに公園へ連れていかれたからとお聞きしたのですが、お父さんも空手家だったのですか? 「やってたみたいです。幼少期まで長崎の離島の五島列島に住んでいて、大阪に移住した時に方言が混じっていたことで軽くいじめられた。それで年長の時に『空手やりたい』とお父さんに言ったら『俺が教える』と。ぼこぼこにされました(笑)。」 -現在は選手を引退されて、ジムの会長や大会の主催者といった様々な顔をお持ちですが、具体的に今どんなことをされているのですか? 「ジム運営&マッチメイクといった会長職と選手・会員さんのトレーナー、あとはファーストマッチという大会の運営をしています。」 -一人で三人分働かれているんですね(笑)。やっていてどの役割が一番大変ですか? 「会長職ですね。僕がコミュニケーション得意ではないので、人にお願いするのが苦手で。お願いされた時は『生きててよかった』と思うんですけど、お願いする時は自分の力不足を感じてしまうワガママゴミ人間です。」 -周りからは「そんなことない!」と聞こえてくるような回答ですね(笑)。よく他ジムの方ともコミュニケーション取られるのですか? 「言い出したらきりがないですが、誠空会田中代表、KUMA GYM籔中代表、FELLOW GYM菅原代表は僕が一方的に尊敬して仲良くさせていただけています。」 -出稽古も今あげられたジムを中心にされているのですか? 「出稽古は基本全て、階級も関係なくウェルカムです。そこは選手ファーストですね。選手がやりたい時は受け入れるし『当たりそうだから嫌』という時はお断りしています。そこの決定権は僕ではないですね。」 -選手ファーストな部分は実際にプロでやられていた大成さんならではの考え方なのですね。何がきっかけで引退・トレーナー転向したのですか? 「2014年に新生K-1が立ち上げられた時ですね。僕は当時広島にいたんですけど、拳(次男の拳成選手)と魁(三男の魁成選手)が新生K-1の旗揚げをGAORAで見ていて。僕は母体となっているKrushにも出ていて、対戦した選手が出場しているのを見て『ここは勝負をかける時かもしれない』と思ったりもした。ただ、弟たちが『出たい』ってなって。当時の僕の練習環境は公民館でシャドーだけして、トレーナーもスパー相手もジムもないような環境。これだとK-1を目指す拳と魁が可哀想すぎると思って。だから2人が本気だったら引退してトレーナーになろうと決心しました。」 -そのような背景があったのですね。それはまだ拳成さんと魁成さんが中学生の時ですか? 「そうです。ちょうど、拳が中学校三年生、魁が中学校一年生の時です。」 -そこから2020年に3Kジムを立ち上げられましたが、どのような経緯で設立に至ったのですか。 「2019年にK-1で魁がジョーダン・ピケオー選手に負けてしまった時にジムを設立したいと思いましたね。それまでは、僕が公民館で子供たちを指導して、その後に拳と魁も公民館で練習するような環境でした。やっぱりそういうところまで出稽古来てくれる人いないので、僕たちが毎回行かなきゃいけなくなりますし、今のままではピケオー選手みたいな超一流外国人に勝つのは無理だなと。それでジムを設立しようと思いました。」 -逆に拳成さんや魁成さんは練習環境が整っていない中、K-1甲子園に出場し優勝していたのですね。 「そうですね。ただ、今になって思うのは練習環境そんなに関係ないなって。今は環境整っていて出稽古の選手たくさん来てくれますけど、やること変わらないので。結局、やりたかったらやるし、やらんやつはやらんし。整っていてもいなくても、やることは人と人が繋がり、意思疎通して、対戦相手に勝つために意見言い合って、夢を叶える。根本の部分は変わらないなと思います。」 -3Kジムの3Kは「近藤三兄弟」の他に「感謝・謙虚・敬意」という言葉が込められていますが、その言葉は大成さんがつけられたのですか? 「僕たちに最初携わってくれていたトレーナーの方が授けてくれました。その方は今、バレーボール・U-18日本代表の世界選手権だったりに携わっています。」 -元々、その方はキックボクシングのトレーナーだったのですか? 「いえ。その方はどのスポーツにも精通する身体操作のトレーナーですね。人としてもとても素敵な方で近藤三兄弟の芯となる言葉として『感謝・謙虚・敬意』を授けてくださいました。それがあるので、今までブレずにこれました。」 -8月の魁成さんの試合後、退場する時、大成さんがわざわざ戻って乱れたセコンドの椅子を直されていた。小さいことかもしれませんが、兄弟でもあり自分が抱える選手でもある魁成さんが負けた直後に中々できることじゃないと思い、その姿を見て「感謝・謙虚・敬意」という言葉を思い出しました。3年経って、プロ選手は10人に増えました。大成さんが思う3Kジムの魅力はなんですか。 「うーん。。。自由なところじゃないですかね(笑)。フルコンタクト空手出身の方やジュニアからキックボクシングされている方やそれこそ僕たちのように公園から自己流で始まった方もいるので。自由な部分は3Kの特徴だと思います。」 -確かに様々な背景を持つ選手が3Kには集まっていますね。その一方で、会長としては自由にできない部分がたくさんあると思いますが、会長職で大変なことはなんですか。 「人と仕事をする時、それこそ感謝と謙虚と敬意を持たなければいけない。だけど、気付かない間にどれかを欠いてしまうときがある。私か相手のどちらかが誠意をもって対応しても、もう一方がそうじゃない時は本当に嫌になりますね。選手に対しても、『感謝・謙虚・敬』を忘れずに接しようと思うけど、僕もまだまだなので、勘違いした人が身近にいたら凄くストレスです。人と力を合わせる事は悩む事も多いですが、偉大だから頑張りたいです。」 -「感謝・謙虚・敬意」のないことをされた時は、どう付き合っているのですか。 「そこは大人になります(笑)。私達も決して完璧な人間ではないので迷惑かける事もございます。」 -外からは見えない部分ですが、大変なことをいくつも抱えなければいけないですね。 「そうですね。でもそれは見せないですけどね。選手からしたら『俺らのほうがしんどいぞ』っていう気持ちに絶対なるので。」 -現在、トレーナーは向井さん(元WBOAP Sフライ級王者・向井寛史トレーナー、)とお二人でやられているんですか。 「そうです。向井トレーナーには週二日来てもらっています。」 -プロ選手10人を2人でみるのはかなりハードですね。 「ほんまにそうですね。」 -この先もお二人でやられていくのですか。 「向井トレーナーには絶大な信頼を置いているので、今のところは二人で。でも向井トレーナーはすごいトレーナーなので、もっともっとたくさんのジムに携わっていただきたいなと。で、結果RISEもK-1もKNOCK OUTも、いろいろな団体で関西の選手が盛り上がればよいなと。」 -「3Kジムは関西の一員で、関西全体が盛り上がるのが良い」という考えがあるのですか? 「僕はそういう意識が強いです。大きな志としては、『上京しないでトップを目指す』。九州でも、関西でも、北海道でも、どこでも。地元に残って、そこで強くなるほうが応援もしてもらえるじゃないですか。今はAbemaで全国どこでも見れる。地元にスターがいる事はとても計り知れない恩恵がきっとあります。」 -そこを改善するためには、そういったトレーナーが増えるしかない? 「増えなきゃいけないし、シェアしなきゃいけないというのが本音ですね。僕もまだまだ半人前です。」 ―それって一般的に考えたら周りも強くなるし、技術も流れてしまうので嫌だと思うのですが、それよりも大事なことと考えているのですか? 「だって、全国が盛り上がらなきゃいけないじゃないですか。野球みたいに、グラウンドがあったら絶対やっている人がいるような、そういう世界観を目指さなきゃいけない。今だったらAbemaで沢山の興行を見れるので、だったらあとは地元に残って、強くなって駆け上がっていくのが一番良い。僕たちも長崎の離島出身で最初は公園で始まった、それが公民館になって、それでもK-1甲子園獲れて、木村選手とタイトルマッチしたりピケオー選手と戦ったり。そこで勝っていたら人生変わったかもしれないですけど、でもそこで負けたから大切なことに気づけているので。絶対そっちのほうが大事だなと思っています。なので話し戻りますけど、人と人で作る作品というのは、知識も経験も自分でつけれますし、環境に依存して甘えていてはだめだなというのが正直なところですね。」 -キックボクシング全体が盛り上がらなければいけないのですね。そんな中、3Kジムは今年絶好調です。要因はなんだと思いますか。 「さっき3Kの特徴は自由だと言いましたけど、やっぱり本気だったら僕が何も言わずともやる。なので、プロ練なんかは、最初『やろうか』という風に声かけたりしますけど、それ以外はなにも言わないので。それって、はたから見た時、教えないトレーナーなんて指導者としてやばいじゃないですか(笑)。ですけど、それは自分が勝つために何が必要で何をしなきゃいけないのが、選手の中で整理されているっていうことなので。そういう選手にちゃんと携わる。そうじゃない選手はどれだけこっちが教えて、伝えて、意思疎通しあって、勝つためのもの作ったたとしても覚悟が甘いから負けるんですよね。今は勝ったとしても連勝できない。だったら、しっかり連勝できる人格、体力、技術の土台作りをすべき。そういったことが、『3Kで練習するということだぞ』ということをしっかり選手に周知して、それの結果が少しずつ実ってきているのかなっていう感じですね。」 ―じゃあ、技術が各段的に向上したからとかではなく、長い間かけて培ってきた意識とか人格が今開花してきているから、結果に繋がっているのですね。 「はい。人間は死ぬまで成長なので。僕自身も胡坐をかかず、選手、試合を通じて日々気づかされている。それを選手に伝えてっていう感じですね。やっぱチャンピオンになれる人はなれるじゃないですか。だから、『チャンピオンになれる人はどういう人なのか』ということを突き詰めるべき。『強くなる=技術が発達している・知識がある』じゃないと思っている。」 -選手と一緒に大成さんも成長する感覚なのですね。 「ただ、どうしても選手と会長では上下関係がうっすら見えてきてしまう。その上下関係を露骨に見せつけて押さえつけるというのが前までの人間だったと思う。でも僕は、上に立つということは姿で見せて引っ張って行かなきゃいけないことだと思っている。ほんまにチャンピオンになる人はなるので。いるじゃないですか、ずっと練習してる人とか。与えられた自分の場で使命を全うする人は少ないので。人間としては、そういう人を育成するべきではないかと思う。圧倒的な知識を持った人と人間としての土台ができてる人が出会った時の化学反応は凄いので。」 -じゃあ、チャンピオンになるための技術より人格を大事にしている。 「そうです。何回も言いますけど、チャンピオンになる奴はチャンピオンになるので。だから、勝負に一喜一憂しないというか。勝ったら一歩引いて、『本当におめでとう』ですし。負けたら『僕のせいですごめんなさい、人間の形成がまだ足りてなかった』ですし。」 -選手もそういった部分を感じ取って、着いてきてくれていると思いますか。 「伝わってくれていたら嬉しいですね。ただ、お互い気恥ずかしいので見せないですけど(笑)。『お前頑張ってるから、俺も頑張るから』とは恥ずかしいので言えないですね(笑)。」 -ジム全体として掲げている目標はありますか。 「『感謝・謙虚・敬意』。あとは、全勝です。チャンピオンになるってそういうこと。チャンピオンになるということが目標なので、勝ちまくりたい。でも人格が伴っていなかったら絶対チャンピオンになれない。そう思ったら、勝っても負けても、人格のほうが大事。『勝ったら上がる、負けたら落ちる』が世の中の一般的認識だと思うんですけど、チャンピオンになるための人格、人格から得られる技術、魅力、そして身近な環境。だから気持ちが切れたり、目標がぶれない限りは勝っても負けても上がっている。勝ち負けは僕たちからしたら一緒です。『出来なきゃいけなかったことは出来ていたのか』が大事。そこは試合じゃなく、トレーニングの経過じゃないですか。出来なきゃいけないことが出来ていて、詰めの甘さもなくリングに上がれたらその時点でもう勝ち。そうやって段々とチャンピオンにふさわしいトレーニング量、生活、覚悟といったことが上がっていくので。ただ、そこまで作り上げても試合は勝つか負けるかです。だから真剣勝負は面白くて感動して価値がある。そこまでの過程は僕たちが一番わかっていますし、選手と僕が理解しなければいけないところです。だから、僕の『よかったよ』で勝っても負けても選手が救われればそれで良いですね。金メダルのような、僕たちのなりたいチャンピオン像を目指します。」 -3Kのチャンピオン像が具現化される日が楽しみです。先ほど、出稽古は選手ファーストとお聞きしましたが、マッチメイクも同じですか? 「相手選手のレベルやタイプまでは操作できないので、時期や『こういうやつとやりたい』とかは選手から吸い取って運営に伝えます。それが思い通りになるかは分からないですけど。例えば今は選手がチケットをどれだけ売るかが重要になっている。ただ、人格以外の付加価値によってマッチメイクが優遇されたり、周りの人が協力するっていうのは、興行的にアリだと思いますが協力じゃなくて利用なので選手サイドは引退後何も残らない。人格があって、損得なして『協力するよ』というのが本来のあるべき形で、その力が強くなっていってチケットの券売やスポンサーがつくっていうのがしっくりきますね。」 -多くの人が逆になってしまっているのですね。 「周りが間違っているとか偉そうなことは言えないですね。僕もまだ体現途中なので。ただそういう考え方、人生の歩み方をしたい。周りからしたら綺麗事ですけどね。ただ、そういう人が増えていったら格闘技のイメージに幅が広がると思うんです。」 -ここからは、拳成さんと魁成さんについてお聞きしていきたいです。8月の魁成さんの試合、9月の拳成さんの試合、連戦お疲れさまでした。拳成さんは見事ベルトを獲得されました。おめでとうございます! 「ありがとうございます。」 -まずは、8月の魁成さんの試合からお聞きしていきたいです。想定しにくい展開だったと思いますが、試合をどう受け止めていますか。 「強い人が勝てるわけでもないし、弱い人が負けるわけでもないのが格闘技なので、負けを引きずりすぎたりするということはないですね。新しい事へのチャレンジの最中なので!」 -試合後魁成さんは足を引きずっていましたが怪我の状態はどうですか。 「重くはないです。骨折とかもないですし。」 -拳成さんはプロキャリア一本目となるベルトを獲得されました。大成さんは試合をどう受け止めていますか。 「チャンピオンになれる人となれない人がいるので、過去に魁が二回、拳も一回、Krushのタイトルマッチに臨み、獲得できず『これは僕たちはベルトを獲れない人間かもしれない』と思っていた中、その現状を拳が打破してくれたという気持ちですね。」 -トレーナーとして、そして会長として絶対に必要だったベルトだった。 「そうですね。あとは僕たち兄弟としても想うことがたくさんあるベルトです。よく魁とかはデビュー当初から『絶対にチャンピオンになれる』という風に言っていただけたり、周りは『早く獲って』とよく言うんですけど、僕たち兄弟の中で一つだけどうしても納得できなくて、どうしても踏み切れない事があった。そんな中で、拳がタイトルを獲って、魁も今は『チャンピオンになることからブレない』という気持ちが固まった。僕の夢も兄弟でチャンピオンなので、本当に獲得できて良かったです。」 -兄弟にとっても、拳成さんのベルト獲得は大きな意味を持っていたのですね。 「はい。拳がK-1甲子園獲って、それに魁も続いてK-1甲子園連覇して。それから魁が『ミライ☆モンスター』や『オオカミくん』に出させていただく中で色々な雑念が増えた。『魁の試合はいつなの?』とか、魁ばかりが注目されるようになって。兄弟の僕らからしたら『いやいや、拳もおるで』っていう。デビューから拳も魁もビックリするくらいハードなマッチメイクで、普通だったら負けるに決まっている様なマッチメイクをチャンスと捉えてガムシャラに勝ちに行きました。ただ、同じ日に出場したK-1大阪で勝った魁と負けた拳で注目度も差が出て、応援される魁とは別に拳が叩かれ始めた。それが兄弟として本当に耐えられなかった。でもそんなのは、プロとしては甘えという思いもあって。それでも僕たちは血のつながった兄弟なので、攻撃される拳を一番近くで見ていて辛かったです。応援されている魁が勝つと何も悪いことをしていない拳がなぜか叩かれる。勝てば勝つほど、拳にしんどい思いをさせてしまうから、僕と魁もしんどかったと思います。そんな中、色々な事があって拳が二年間試合から離れる時期があった。その期間も魁は骨折して右手が使えなくても、戦いながら拳をずっと待っていました。そんな時期を乗り越えてのタイトル獲得だったので、本当に大きかったです。世間や周りの声とこれだけ闘ってきたという意味では、拳は強いものを持っていますし、魁がここまで頑張れるのは小学生の時大きな病気にかかり歩けなくなった時期に支えてくれた拳がいるから。魁は拳に他人が理解できないレベルのリスペクトがあり、拳のベルトは僕達兄弟が拳に思っているリスペクトの象徴です。」 -そういう背景があったことは全く知りませんでした。本当に大きな意味を持つベルトですね。 「凄くプライベートな話です(笑)。SNSが当たり前になり始めたときに拳と魁もプロデビューして、K-1甲子園や番組をキッカケにたくさんの世間の声だったり、関係者の声だったり、色々な声が拳と魁に届く姿を見ていました。兄弟でやってきて、人は助け合い高め合う事が当たり前だと思っていたので、他人を蹴落としたりしている方々を見るといまだに信じられない。だからこそ、僕たちは絶対にお互いへの『感謝・謙虚・敬意』を忘れずに、これからも携わろうと思います。」 -普段はほとんど自己主張しない拳成さんが、魁成さんに勝ったFUMIYA選手へ対戦表明した時は、兄弟としてのつながりを感じました。 「僕はSNSで後から知って少し出遅れてしまいましたが(笑)。拳の中に兄弟としてああいう気持ちがある事を知れて、会長としても拳がそう思うなら携わりたい。称賛も多くて少しずつ拳を見てくれる人が増えてきたのは嬉しいですけど、まだ『魁だけが勝てば良い』という人が多いので、世間と兄弟として戦っていかなきゃいけないです。世間の百千万の蹴落とすような声よりも、今の事実を受け止めながら前を向く僕たち兄弟の一声の方が価値あるような兄弟でありたいですね。 -拳成さんも魁成さんも怪我で試合から離れた期間もありました。特に拳成さんは、今年復帰するまで二年間試合から遠ざかっていました。その間は格闘技とどう向き合っていたのですか。 「練習はしたりしなかったり。一回本当に格闘技が好きじゃなくなった期間もあったんじゃないですか?自分たちの中ではどうにもできないバッシングとかがあったから、一回そういうことから離れたりもした。でもやっぱり、『格闘技じゃなくて、僕たち兄弟のことが好きなら、もう一回やろう。周りのためではなく兄弟のためにやろう。』という考えを持てるようになった。自然と考えられるようには時間がかかりましたけど復帰できました。」 -魁成さんも過去に大きな怪我があり、辛い時期を過ごしたと思います。 「ちょうど拳が格闘技から一回離れたタイミングで魁自身が責任を感じているように見えました。気持ちのブレもあってトーナメント決勝で怪我をしたり。それでも魁が『引っ張らなきゃいけない』と思っていたのか相当無理をしていました。」 -今の怪我の具合はどうですか? 「練習では今年の3月から軽く打ててますけど、試合で思い切り打てることはまだないです。右を使わず勝つスタイルで試合をするしかなく、魁も色々な世間の声と戦う期間でした。その間に取り組んでいる新しい事の努力も続けていて、思いっきり戦えるまで後もう少しです!」 -プロ選手と会長という立場でも、兄弟として大切なものを三人で抱えて進んでこられた。 「はい。あとは、周りの評価や批判を自分の中で上手く落とし込めるような人間性がいつできるかです。拳も今回の試合後のマイクで『魁の方が100倍強い』って言っていて、そういった部分では乗り越えながら次に向かっていると思います。拳の一番の理解者でありライバルは魁ですし、魁の一番の理解者でありライバルは拳なので!」 -当初のハードなマッチメイクは運営側の意向だったのでしょうか。 「運営側の意向なのではないですかね!?ただ、その時は公民館で練習しているような状況だったので、断ったら試合が無くなってしまう。今は皆様のおかげでジムも大きくなり、団体様には本当に育てていただいたと思います。特に拳と魁が本当に苦しみながら大きくしてくれたおかげです。そういった苦しみから、拳がベルト一つ獲ってしっかり復帰できたという部分では開放されるかなって思います。」 -今まではハードなマッチメイクでしたが、多少希望も伝えられる立場になったと思います。これからはどんな道を歩むのが理想ですか。 「拳と魁があってのことなので、彼ら次第ですね。ただ、マッチメイクとは評価なので、マッチメイクを受けさせていただくというのがプロと思うので頑張ります!」 -そんな中で、今3Kで注目してもらいたい選手を教えてください! 「3Kは虎太朗(大倉虎太朗選手)、吏喜(早田吏喜選手)のようにこれから力尽けていく選手と、デビューから一年経って『ここから上がっていくぞ』という中堅どころの海杜君(都築海杜選手)、小田君(小田尋久選手)、陽勇君、瑞貴君、横野君(横野洋選手)と、あとは引っ張ってくれている山口さん(山口翔大選手)、拳、魁で分かれているので、真ん中の層が上がっていくのかっていうのは、ジムとして会長として、皆さんに背中押してもらいたいなと。」 -これからの3Kが楽しみですね!ここからは、ファーストマッチについてお聞きしたいと思います。開催のきっかけについて教えてください。 「選手に携わらせていただいて、格闘技が好きな人の母数が増えなければ選手の待遇は変わらないと思ったのがきっかけです。例えば、RISE、K-1、Krushで選手がチケット売らずとも超満員だったら、もっとファイトマネー上がるでしょうし、毎回横浜アリーナといった大箱でできるようにもなる。幸いフィットネスとしては人気が上がり、プロ選手がいるようなジムであれば、『同じジムで練習しているプロ選手の試合』という、見に来てくれるきっかけがある。ただ、プロ選手がいないフィットネスジムのほうが圧倒的多いので、きっかけがなくて、現地観戦まではしないフィットネス会員様がほとんど。だから、その人たちに試合に安全に参加していただき、もっと格闘技を好きになってもらう。その結果、『試合も見に行こう』と思ってもらえるパイプ作りができたら良いなと。どれだけ大衆化しても格闘技の本質は変わらずあり続けますし、そういった一面を知ってもらいたい。そこに、安全安心を取り込んで普及させたいですね。あとは、大会を経て会員様が新たなモチベーションとして、大会を利用して長く続けてくれれば嬉しいです。」 -だれバト(元プロボクサー・土屋修平さん主催のボクシング大会)とのコラボも将来あるのでしょうか。 「方向性が一致していますし、参考にさせてもらっている。ものすごいイベントだと思っています。あとは、究極ですけど、キックボクシングもボクシングもMMAも全てひっくるめた、格闘技としてのイベントがあるべきだなと思います。そのファーストステップとして、ボクシングとキックボクシングが仲良く手を取り合うべき。土屋代表の熱い思いが引っ張ってくれるので、しがらみだったり壁を壊していきたいですね。」 -個人的にだれバトとのコラボ、そして格闘技全体のイベントはとても心を踊らされます。最後にRSCとのつながりについてお聞きしたいです。大成さんとRSCはいつ出会ったのでしょうか。 「ジムを出させていただいてすぐの時ですね。私たちがアポを取って金岡社長に会わせていただいたのがきっかけです。ジムとお店が近いのもありますし、大阪ボクシング界で有名だったので元々知っていた。あとは、ホームページを拝見すると、キッズからフィットネスでされている年配の方々にも受け入れられている、愛されている姿を拝見していた。『感謝・謙虚・敬意』とRSCさんが繋がっているように見えていたので、関わらせていただきたいという思いは強かったです。」 -今ではファーストマッチなどを通して、3KとRSCは強くつながりあっています。 「全ては金岡社長のお気持ちですよね。未熟者ながらお願いさせていただく時もあるのですが、『いいよ』って。温かいお気持ちですね。ファーストマッチのコンセプトとRSCさんのコンセプトは合っているので、これが将来協力しずらいってなったら、僕たちがぶれているということ。金岡社長にも『僕が肩切って歩き始めたら、ほんましばいてください』とお伝えしている。RSCさんの名前も身にまとわせていただいているので、ブレるわけにはいかないですよね。」 -最後にこの記事を読んでいるファンに一言お願いします! 「僕たちを知らない方々もたくさんおられると思いますが、RSCさんを好きな皆様に『RSCぽいね』と認めてもらえるように頑張りますし、素晴らしい人から素晴らしいものが生まれるので、RSCにふさわしいと思ってもらえるように、『良いジムだな』って思ってもらえたら嬉しいです。」 ジムの会長であり、三兄弟の長男でもある大成さん。様々な葛藤や悩みを抱えながらも決して表に見せることなく使命を全うする姿がとても勇ましく映りました。他人からは綺麗事にも聞こえる想いとともに、夢へ向かって突き進みます。 大成さん、インタビューありがとうございました! インタビュイー/近藤大成 1992年11月23日生まれ。長崎県福江島出身。キックボクシングジム3K代表。アマチュアキックボクシング大会『First Match』代表。キックボクサーの近藤拳成と近藤魁成の兄。2014年に自身のプロ引退後、二人のトレーナーを務める。 Instagram https://instagram.com/taisei3k?igshid=MzRlODBiNWFlZA== X(旧Twitter) https://twitter.com/taisei3K?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor インタビュアー/ジョー <PROFILE> 2022年11月から東京店にて勤務。 大学3年生。ボクシング歴1年。応援している選手は、RSCサポート選手と藤田炎村選手。 大学入学後プロボクサーを志してボクシングを始める。ジムでRSCを知り、活動に惹かれアルバイトを始める。 「ボクシング・格闘技が好きでつながる空間」を目指し、毎週土曜日東京店にて勤務しています。 是非遊びに来てください!東京店でお待ちしております! 🛍オンラインショップ https://shop-rscproducts.com/ #rscproducts #boxing #kickboxing #fashion #apparel #ボクシング #キックボクシング #プロレス #格闘技 #ファッション #アパレル #東京 #水道橋 #後楽園ホール#近藤大成#近藤三兄弟